40~50代男性の身体の基礎知識
2018.12.03

疲れやすい、勃たない…40代から増える「男性更年期」にご用心!

仕事の疲れが抜けにくい、趣味にも以前ほど気分が乗らなくなってきた、おまけに下半身の調子も今ひとつ…40代を越えると、このようなぼんやりとした病気とも言えない症状(不定愁訴)を持つ男性が増え始める。まるで女性の更年期のようだが、ズバリその通り、男性にも更年期が存在し、さらにホルモン低下も関係しているのだ。

「男性更年期」を詳しく説明する前に、まずは簡単にできるセルフチェックを用意した。なんとなくの不調を感じている男性読者の皆様は、ぜひ試して欲しい。

いくつ当てはまる?男性更年期チェック

まずは下記の項目に、心当たりが無いかチェックしてみよう。

  1. 総合的に調子が悪いと感じる
  2. 関節や筋肉の痛みがある
  3. 運動していないのに突然ほてって汗をかくことがある
  4. 寝つきが悪く、ぐっすり眠れない
  5. 日中によく眠くなる
  6. 些細なことでイライラする
  7. 神経質になった
  8. パニック状態になる
  9. 趣味が楽しめない
  10. 筋力の低下
  11. 落ち込んだり憂鬱になったりする
  12. 「絶頂期は過ぎた」と感じる
  13. 力尽きた、どん底にいると感じる
  14. ひげの伸びが遅くなった
  15. 勃起力が下がったと感じる
  16. 朝立ちの回数が減った
  17. 性欲が低下した

いかがだろうか?上記のチェックリストに9個以上当てはまる項目がある場合は、男性更年期障害が起きていると言えるかもしれない。これは、「AMS(Aging males' symptoms)スコア」というチェックシートの項目を一部わかりやすくしたもので、男性ホルモン低下の診断に使用されている[1]。

しかし、なぜこのような症状が40代から増え始めるのだろうか?一般的に更年期障害と聞くと、女性の問題というイメージがあるが、男性にも同じようなことが起きるのだ。

実は、男性更年期にはホルモンの低下に加えて、社会的な側面や不健康な生活習慣のツケが蓄積することなど、様々な要因が絡み合っているのである。

男性更年期とは?

様々な不調を引き起こす男性更年期、その要因は多岐にわたる。

男性ホルモンは加齢により減少する

一般的に男性ホルモンと呼ばれているものは、精巣から分泌される「テストステロン」などを指す。男性の精巣はどこかで働きを停止することはないものの、20代のはじめをピークに、ゆるやかにテストステロンの分泌量を低下させてゆく。そして、ある程度まで低下してきたところに、さらなる急低下の引き金となるのが「ストレス」と「生活習慣」だ。

社会的立場が男性更年期障害の原因に?

読者の中にも当てはまりそうだが、働く男性は40代を越えると様々なポストを任されることが多い。現代はストレス社会と呼ばれるようになって久しいが、中間管理職にもなると上司と部下の板挟みでさらにストレスは重なる一方だ。加えて家族を持つ男性であれば、子供が思春期を迎え、本来は休息するはずの家庭内でもストレスを感じる場面も増えるだろう。

このストレスは、テストステロンを低下させることが指摘されている。男性更年期障害は、テストステロンが急激に低下したときに起きやすくなるため、社会的立場がもたらす外的ストレスが、男性更年期の引き金となってしまうのだ。

男性ホルモンの働きやメカニズムについては、こちらの記事も見ていただきたい。

『「男性ホルモン多い=ハゲ」は間違い!?男性ホルモンの働きってなんだ』

性的能力が下がる裏には生活習慣の影響も

男性更年期障害の代表的な症状のひとつに、EDなど性的能力の衰えがある。しかし、EDの原因にはホルモンの分泌量低下以外に、生活習慣病の一要因である動脈硬化なども関係している。2017年の統計によると、40代男性の3人に1人が肥満というデータが出ている[2]。

肥満はメタボリックシンドロームを誘発する最初の因子であり、その先には動脈硬化が待っている。動脈硬化は血管の柔軟性が失われた状態であり、血管を狭めるため、陰茎への血行が悪化してしまえば勃起力も低下するというわけだ。さらに悪いことに、陰茎の血管は細いため動脈硬化の影響を受けやすい。男性ホルモンの低下が目立ち始めるタイミングで、生活習慣にも気を配りたいものだ。

男性更年期に負けずにカッコいい男を保つには

では、男性ホルモンの低下を防ぎ、男性更年期を快活に過ごすにはどうすればよいのだろうか。まずは、自分でできることから始めてみよう。

セルフケアで最も重要なことは、簡単にまとめると「肥満に気をつける」「定期的な運動習慣を持つ」ということになるが、「なんだ、よくある一般的な健康法じゃないか」と思うなかれ。どちらもホルモンの低下を防ぐことがわかっているのだ。

まず、体脂肪、特に内臓脂肪は男性ホルモンの分泌量を低下させる。男性ホルモンが低下すると筋肉量が減り、さらに内蔵脂肪を蓄積しやすくさせる。その結果、さらなる男性ホルモン低下の悪循環に陥ってしまう。出っ張った腹が目立つメタボ体型は、男性更年期障害の要注意サインなのである。

運動に関しては、最も手軽な男性ホルモンの回復法という事実を覚えておいて欲しい。必ずしも激しい運動で無くても良い上に、運動はEDにつながる動脈硬化も防いでくれるので一石二鳥だ。

病院での検査で男性ホルモンが明らかに低下していると診断されれば、ホルモンを直接補充する治療を受けることもできる。セルフケアや病院での治療について、下記の記事にてより詳しく紹介している。

『男の人生を決める「男性ホルモン」|減少を止めるためには?』

なんとなく調子が悪いと感じたら、早めに対策をするに越したことは無い。昨今では「イケオジ」という言葉も生まれているように、40代を越えても活力とパワーにあふれる男性は女性からの評価も高い。男性ホルモンの低下を防ぎ、昼も夜も元気な男であり続けよう。

参考文献

  1. [1]日本泌尿器科学会ほか編. 加齢男性性腺機能低下症候群診療の手引き 第1版. じほう 2007; p11
  2. [2]厚生労働省. "平成29年「国民健康・栄養調査」の結果" 厚生労働省.
  3. https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000351576.pdf(参照2018-10-22)

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