心・身体の不調や病気
2018.12.26

イライラが止まらない原因は?|ストレスに負けない男のマインドハック

この世は不愉快なことで満ちており、目に入るものすべてが疎ましく、イライラが止まらない――。そんな最低な気分から立ち直るには、いったん自分の心と身体に向き合ってみよう。ちょっとしたことでイライラする原因と対処法を知れば、ストレスに負けない快活な男になれるはずだ。ここでは、イライラが止まらない原因と、その対処法の一つである「認知再構成法」を中心に解説する。

イライラのきっかけになる原因は人それぞれだ。上司から雑用が山ほど降ってくる、部下が勝手なことをしてミスをする、妻や娘の態度が悪い、などなど。ストレスフルな出来事が重なると、どんな人でも多かれ少なかれイラついたり、不機嫌になったり、怒りっぽくなったりする。だが現代社会では、その鬱憤を暴言や暴力で晴らすわけにはいかない。だから、なおさらイライラが止まらない。

イライラが止まらないのはなぜ?

いくつものストレスが重なって、イライラが止まらなくなっている人の頭の中は、このようになっている[1]。

ストレスがかかるとイライラするものだが、それが重なってくると脳は処理しきれずに機能不全に陥る。そうすると物事の見方が否定的になってしまう。嫌だなあ、ムカつくなあ、という気分のときは、普段なら気にならなかったようなことまでストレスに感じるようになる。いつもなら笑って見過ごせたはずの些細な出来事が、イライラに油を注ぐ燃料となってしまう。この構図が、イライラが止まらない原因のひとつだ。

イライラが止まらない時の対処法

このようなイライラの負のスパイラルに陥ってしまったとき、酒を飲んで忘れてしまおうとしたり、同僚を誘って愚痴を言い合ったりすることで、うまくストレスが発散できて、イライラが減ることもあるだろう。しかし、このような対処法で思ったようにイライラが解消できない場合は、根本的に問題を解決する必要があるかもしれない。

柔らかくストレスを受け止める「認知再構成法」

イライラが止まらなくなっている人におすすめしたいのは、「認知再構成法」だ。これは認知行動療法の中でもよく知られているもので、ストレス対処能力を高めることができる手法だ[2]。イライラのスパイラルにはまっている人はぜひ試してみてほしい。

認知再構成法とは、ストレスフルな出来事に直面したときに自分の意志とは関係なく自動的かつ瞬間的に湧き出るネガティブな考え方(否定的な自動思考)の存在に気づくことから始める。次に、その考え以外には何があるのかを検討することで、思考の幅を広げるとともに柔軟性を高めて、止まらないイライラから脱却する足がかりを得る方法である。実際に例を上げてやり方を説明していこう[3]。

認知再構成法(コラム法)のやり方

1枚の紙と鉛筆を用意してほしい。スマホのメモ機能でも構わない。そこに下記のような感じで、7つの要素を書き込むための枠(コラム)を用意しよう。

状況                     
気分                     
自動思考                     
根拠                     
反証                     
適応的思考                     
気分の変化                     

そして上から順番に、素直な気持ちでコラムを埋めていこう。

状況 イライラの原因となった出来事を一つだけ選んで具体的に書く
気分 上記の状況になってどんな気持ちになったか書く
自動思考 上記の状況になって自然と浮かんできた考えを書く
根拠 自動思考を裏付ける「事実」を書く
反証 自動思考とは反対のことを示す「事実」を書く
適応的思考 ここまでに出た情報を見直し、バランスのとれた考え方を書く
気分の変化 ここまでの作業を通じて気分に変化があったか書く

反証や適応的思考のところは慣れないと書くのが難しいかもしれないが、ここが肝なのでぜひ頑張ってもらいたい。思考の幅を広げて、頭を柔らかくして考えてみよう。もし相談できる人が周りにいれば、それとなく「君ならどう思う?」と聞いてみるのも一手だ。

イライラ解消のための認知再構成法の活用例

ここで、イライラする状況に置かれた一人の中年男性になりきって、この認知再構成法をやってみる。これはあくまで一例に過ぎないが、参考にしてほしい。

状況 高級ホテルでのクリスマスデートに妻を誘ったのに、返事がない
気分 がっかり、イラつく、ムカつく
自動思考 若い頃と比べて男としての魅力に欠けているからか
根拠 近頃、勃起力や精力が減っていることに悩んでいる    歳を取って、見た目や体力に自信がなくなってきている
反証 誘ってからまだ数日しか経っていない 年末年始は公私ともに多くの用事が入ってきて、忙しい時期である 自分に対する妻の態度には特に変化は感じられない
適応的思考 日程調整をしていて返事ができない状態なのかもしれない 誘ってからまだ日が浅いのに、焦るのはナンセンスだ かっこいい初老の男になれるよう努力すればいい
気分の変化 少し心配な点はあるが、やる気がでた、気持ちが落ち着いた

どうだろう。当初の気分や自動思考から、検討を経て、バランスのよい考え方に気づき、気持ちもよい方向に変化している様子が伝わっただろうか。イライラは脳の機能を低下させ、よりイライラしやすい状況に陥りやすくなる。この状況から抜け出す方法として、この認知再構成法をぜひ試してみてほしい。

イライラの原因は男性更年期障害?

ここまでに紹介した認知再構成法をはじめ、趣味やスポーツによるストレス発散やリラクゼーションなどを行っても、どうにもイライラが止まらない、イライラだけでなく気力もないという場合は、もしかすると心が少し弱っていて、自分の力だけでは回復しにくい状態になってしまっているかもしれない。

特に中年男性でこのような状況になっている場合は、「男性更年期障害」の可能性もある。男性更年期障害になると、男性ホルモン(テストステロン)分泌量の低下などによって、些細なことでイライラしたり、落ち込んだり、眠れなくなったり、性欲が低下したりする(男性更年期のチェックリストはこちらの記事『疲れやすい、勃たない…40代から増える「男性更年期」にご用心!』を参照のこと)。

「一人で頑張らなくてはいけない」「自分で解決すべきだ」と思っても、このような状態ではなかなか回復は難しい。困った時に専門家の力を借りるのは、ビジネスの場では当たり前のこと。心の問題についても、必要に応じて専門家に頼るといい。メンズヘルス外来や男性外来、泌尿器科、メンタルクリニックなどが対応してくれる。

参考文献

  1. [1]尾崎紀夫. “うつ病と双極性障害” 標準精神医学 第6版. 野村総一郎ほか監修. 医学書院 2015; 344
  2. [2]日本産業カウンセラー協会(厚生労働省委託事業). 労働者個人向けストレス対策(セルフケア)のマニュアル[実践編]. こころの耳―働く人のメンタルヘルス・サポート―
  3. http://kokoro.mhlw.go.jp/etc/pdf/tool-self02.pdf
  4. [3]大野裕. こころのスキルアップ・プログラム―認知療法・認知行動療法の視点から―
  5. _http://mukiai.net/data/japan/%E3%81%93%E3%81%93%E3%82%8D%E3%81%AE%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0.pdf_

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