心・身体の不調や病気
2018.12.03

不眠が原因でEDに?男の活力を維持するための睡眠法

近頃、うまく眠れていないと感じることはないだろうか。なかなか寝付けなかったり、夜中の尿意でトイレに起きたり、また寝ようと思ってもうまくいかなかったり。以前よりも早く起きるのに、そのくせ昼間には居眠りをしてしまう…。これらはいずれも不眠の症状である。不眠は男性から活力を奪う大きな要因であるから、その原因を理解し、正しく対処することが肝心だ。

不眠で悩んでいる人によくある誤解は、睡眠時間が短いことを問題と捉え、なるべく長く寝ようとすることだ。人間は加齢によって必要な睡眠時間が1時間ほど減ってくる生き物である[1]。必要以上に長く寝床で過ごすと、かえって睡眠の質を下げてしまう。

このような生活を続けていると、メタボやED(勃起不全)、男性更年期障害などにもつながっていく可能性がある。熟睡した感じが持てず、昼間に眠気やだるさが出るようなら、ぜひ日頃の睡眠習慣を見直してほしい。

不眠はEDや男性更年期障害のリスクに

近年、妻やパートナーが自分よりも起床が遅いのに不満を感じていないか。それは、彼女らが怠惰というよりは、自分の睡眠パターンが早寝早起き型になったからかもしれない。人は誰しも、年を取るにつれ早寝早起きになってくるものだが、その変化は女性よりも男性の方が顕著であることが多い[1]。

このように、人は老いるにつれ眠りのパターンに変化が出てくるものだ。寝付きの悪さ(入眠困難)、夜中に目覚める(中途覚醒)、朝早く目覚める(早朝覚醒)などの不眠の症状も起きやすくなってくる。これは、覚醒と睡眠のリズムを作り出す「メラトニン」というホルモンの分泌量が減ってきたり、寝ている間に尿を貯めておく能力が弱まったり、痛み、かゆみ、咳などにより睡眠が阻害されたりするからだ[2]。

しかし、年のせいだからといって質の良い睡眠を諦めないでほしい。なぜなら、不眠により肥満、高血圧、糖尿病(高血糖)、メタボリックシンドローム、心臓や血管の病気などの発症リスクが上がってしまうからだ[1]。また、男性更年期障害(LOH症候群)の症状としても不眠があり[3]、睡眠時無呼吸症候群があるとEDにもなりやすいことが示されている[4]。

男の精力とメタボリックシンドローム、男性更年期との関係については『メタボが男の活力・精力を奪う―原因を知って対策を!―』『疲れやすい、勃たない…40代から増える「男性更年期」にご用心!』を参照していただきたい。

年齢を重ねても心身ともに健康で活力あふれる男でいるためには、今の自分の状態に合っている睡眠スタイルを検討してみる必要があるだろう。

不眠の原因は「5つのP」

ここで、不眠の原因について詳しくみていこう。不眠を取り扱う学問である精神医学では、不眠の原因を5つに分類している。5つの頭文字がすべてPなので、「5つのP」と呼ばれている[5]。

身体的要因による不眠(Physical)
痛み、かゆみ、咳、呼吸困難、悪心、頻尿などの身体的苦痛
生理的要因による不眠(Physiological)
眠るのにふさわしくない環境(騒音、光、不適切な室温や寝具など)、生活習慣、過度な緊張感、時差など
心理的要因による不眠(Psychologic)
精神的なストレスや喪失体験、心の傷など
精神の病気に関連する不眠(Psychiatric)
うつ病や不安障害などの精神の病など
薬剤性の不眠(Pharmacologic)
医薬品(鎮咳剤、インターフェロン、ステロイドなど)、嗜好品(アルコール、カフェインなど)の影響など

その他、先ほどEDのリスクになると述べた、睡眠中のいびきが特徴の「睡眠時無呼吸症候群」や、寝ている間に下肢に違和感があって動かさずにはいられない「むずむず脚症候群」(レストレスレッグス症候群)なども不眠の原因となる。

不眠を解消して活力漲る男になるには

このように、不眠になる原因は多くある。なかでも生理的要因による不眠は、眠りの環境を整えたり、生活習慣を見直したりすることで改善できる可能性があるので、ぜひ下記の項目を試してみてほしい[1][2]。

  • 昼間に適度な運動をする
  • 昼寝をしない(どうしても眠いなら午後の早い時間に30分以内)
  • 夕暮れ時に日光に当たる
  • 寝る数時間前に入浴して身体を温める
  • 就寝前3~4時間以内はカフェインの入った飲料を飲まない
  • 寝酒はしない(睡眠が浅くなって逆効果)
  • 就寝前に喫煙しない
  • 寝心地のよい寝具にする
  • 遮音・遮光の窓にする
  • 寝室の明かりはOFFか暗めに設定する(白っぽい色味の灯りは避ける)
  • 温度調整をする(室温は13~29℃とし、身体の周りが33℃前後になるよう寝具で調整)
  • 必要以上に早い時間に就寝しない(眠くなってから寝床に入る)
  • 「眠らなくては」と意気込まない(焦りが不眠を悪化させる)

なお、身体的要因による不眠については内科や呼吸器科、泌尿器科などを受診して、夜間に起こる不快な症状を改善することが対策になるはずだ。心理的要因や精神病によるものは、自分一人で悩まずに精神科や心療内科に相談してほしい。

何が原因か分からない場合は「不眠症外来」や「睡眠障害外来」などで診てもらうといいだろう。もし今飲んでいる薬が怪しいと思っても、自己判断での中止はせず、必ず処方した医師に相談するようにしてもらいたい。

参考文献

  1. [1]厚生労働省健康局. 健康づくりのための睡眠指針2014
  2. https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000047221.pdf
  3. [2]日本神経治療学会. 標準的神経治療:不眠・過眠と概日リズム障害
  4. https://www.jsnt.gr.jp/guideline/img/fuminkamin.pdf
  5. [3]日本泌尿器科学会, 日本 Menʼs Health 医学会. 加齢男性性腺機能低下症候群(LOH 症候群) 診療の手引き
  6. https://www.urol.or.jp/info/data/gl_LOH.pdf
  7. [4]日本性機能学会, 日本泌尿器科学会. ED診療ガイドライン 第3版. リッチヒルメディカル 2018
  8. [5]清水徹男. “睡眠覚醒障害” 標準精神医学 第6版. 野村総一郎ほか監修. 医学書院 2015; 443

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