EDの原因・対処法
2018.12.26

ED予防の運動・筋トレ|研究結果から見るベストな方法とは

EDを治療するには原因に応じた様々なアプローチが必要だが、予防においては生活習慣の改善が勧められている。なかでも運動は特に有効性が認められており、一般にも広まりつつあるので、ネットでも情報を探せば多くの解説が見つかる。しかし、どうせ運動を始めるならEDの改善効果が判明しているものを知りたいだろう。この記事では、EDの診療ガイドラインで紹介されているデータを中心に、どのような運動がよいのかを解説する。

データから見るED予防に効果的な運動とは?

シンプルな答えを求めている読者には残念だが、ED診療の専門家たちが作成したガイドラインの中では「医学的に最もED予防に効果があるエクササイズ」というものは語られていなかった[1]。だからと言って、運動のED予防効果がないわけではない。ガイドライン中にEDの発症リスクと運動量の関係を調べたデータが存在しているので、参考にしてみるとしよう。

アメリカにて40~75歳の男性約22,000人を14年以上追跡調査した結果によると、運動量が多いほどED発症リスクも低いことがわかった[2]。最もED発症リスクが低かったグループの運動量を調べると、下記のいずれかを1週間中に行うことと同等となる。

  • 自重を使った筋トレ…9.3時間
  • やや速めのウォーキング…7.6時間
  • ジョギング…4.7時間
  • サイクリング…4時間
  • 水泳(クロール)…3.9時間

効率のよいものを選ぼうとすると、時間軸で見れば理論上は水泳(クロール)であろう。1日に30分弱泳げば満たすことができるが、日頃から運動の習慣が無ければ難しいかもしれない。しかし、調査結果によると次点で運動量が多かったグループも、一定のED発症リスクの低下が見られたという。そのグループの運動量(1週間中)は、下記のようになる。

  • 自重を使った筋トレ…4.7時間
  • やや速めのウォーキング…3.9時間
  • ジョギング…2.4時間
  • サイクリング…2.1時間
  • 水泳(クロール)…2時間

必要な道具や場所、所要時間などを総合して考えると、早歩きかジョギングが実行しやすいと言える。勤務地が自宅から徒歩30分程度の距離であれば、通勤手段を徒歩に切り替えると平日の往復でクリアできそうだ。

ここで、運動量が決まっているのであれば自分で色々な運動を組み合わせたいと思う読者もいるだろう。運動量は「METs(メッツ)」という単位で表され、運動によって異なるMETsが設定されている。そのため、調査結果のグループと同じMETsになるように各運動を行えば、オリジナルのED予防メニューをつくることが可能だ。調査報告によると、最もED発症リスクが低かったグループの運動量は32.6METs/週、次点のグループは16.6METs/週であった。ネット検索すればメッツと運動内容の対応表が簡単に見つかるはずなので、運動に意欲的な読者はぜひ試してみて欲しい。

それにしても、なぜEDに運動が効くのだろうか?

ED予防の本質は運動よりも◯◯◯?

運動が有効なED患者にはハッキリとした傾向があり、それはズバリ「肥満」である。先に紹介した調査に登場するグループについても、肥満度に関連してEDのリスクが上昇していたという結果が出ている。言わずもがな運動は肥満解消の基本なので、肥満が原因のEDには効果てきめんというわけだ。

ただ、運動は肥満を解消する唯一の手段ではない。定期的な運動が難しかったり、まとまった時間が捻出できなかったりする場合は、摂取カロリーのコントロールで対処してもよい。ライフスタイルを劇的に変える必要はなく、些細な習慣や酒肴の選び方などから改善できるので、ぜひ『ED予防によい食事とは?働く男のカロリーハック』を読んでいただきたい。

日常に運動を取り入れることから始めよう

まとまった時間を取れなくても、運動の習慣を持つことは無駄ではない。デスクワーク中心の生活なら、座りながらできる筋トレを続けてみるのはどうだろうか。メタボリックシンドロームの改善に効果があるとされている簡単なトレーニングをいくつか紹介する[3]。

座ったままでの腹筋トレーニング
腹筋に力を入れて、お腹をへこませる動作を繰り返すことで十分なトレーニングとなる。電車で座りながら、職場でPCを操作しながらなど、時と場所を選ばず自分のタイミングで続けてみよう。
鏡の前でかかと上げ
歯磨きやひげ剃りなど、自宅で直立するときはかかとを浮かせてみよう。ふくらはぎが鍛えられる。外出時にバスを待っているときにもできる。
しゃがむときはスクワット
スクワットの動作は立派なトレーニングとなる。床に落ちたものを拾う時に、腰を曲げてはいないだろうか。意識してスクワットの姿勢を取るようにすると、自然と脚の筋肉を鍛えることができる。

調査データに倣った運動は、小さなトレーニング習慣ができてから始めても遅くはない。少しずつ運動強度を上げて、肥満解消に効果が出てくれば体型が変わっていく楽しみも出てくるはずだ。ED予防の効果と併せて、引き締まった身体になればパートナーとの時間もより親密なものにできるだろう。

参考文献

  1. [1]日本泌尿器科学会ほか編. 加齢男性性腺機能低下症候群診療の手引き 第1版. じほう 2007; 12
  2. [2]Bacon CG, et al. A prospective study of risk factors for erectile dysfunction. J Urol 2006; 176: 217-221
  3. [3]秋下 雅弘監修. 男性ホルモンの力を引き出す秘訣 初版. 大泉書店 2013; 84

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