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2018.12.03

クラチャイダムの効果は?|山岳地帯に伝わるアンチエイジング成分

男としての悩みを抱えて精力増強サプリメントを探していると、「クラチャイダム」と言う成分を目にすることがあるだろう。日本ではあまり聞き慣れない名前だが、タイなどの熱帯地方では何世紀も前から民間療法として重用されてきた植物だ。クラチャイダムにはどういう栄養素が含まれていて、どのような効果が期待できるのだろうか。臨床研究の結果も踏まえ詳しく解説する。

監修医師

監修 管理栄養士  横川仁美

クラチャイダムとは?

クラチャイダムは、タイやマレーシア、スマトラ、ボルネオ島などの熱帯地方で栽培されているショウガ科の植物である。クラチャイダムは主にタイでの名称であり、タイニンジンと言う別名の他、黒ウコン、黒ショウガ、ブラックジンジャーとい言う名前でも呼ばれている。ちなみに学名はKaempferia parviflora(Kaempferia=バンウコン属、parviflora=小さい花の意)と言う。

クラチャイダムは「山岳地帯の滋養強壮剤」

クラチャイダムは古くから栽培されており、民間療法としても広く使われてきた。例えば、山岳地帯に住むモン(Hmong)族の間では、クラチャイダムは疲労感を減らし、身体能力を高めることでより長く山歩きができるようになると広く信じられている[1]。

クラチャイダムは一見よくある根生姜のように見えるが、切ってみると濃い紫色の断面が現れる。この紫色はアントシアニンによるものだ。アントシアニンはプルーンやブルーベリーなどにも含まれており、高い抗酸化作用があることが知られている。クラチャイダムは古くから山岳地帯のアンチエイジング食材として活用されてきたと言うこともできよう。

クラチャイダムによる様々な効果

クラチャイダムには、アントシアニン以外にも20種類以上のポリフェノールなど(主にメトキシフラボン類)が含まれており[1]、これらも抗酸化作用を発揮する。その他にも、アルギニンなどのアミノ酸やセレン、クルクミンなどが含まれている[2]。

クラチャイダムは、一般的には「関節痛やダイエットによい成分」と説明されていることが多い。クラチャイダムの性質を薬理学的に検討したところ、

  • 抗アレルギー作用
  • 抗炎症作用
  • 抗がん性作用
  • 抗うつ作用
  • 認知機能改善作用
  • 抗菌作用
  • 抗消化性潰瘍作用
  • 心保護作用
  • 抗肥満作用

そして性機能の改善の可能性があることが示されている[1]。

しかし、ヒトが摂取した場合にこれらの効果が得られるのかどうかは、すべて科学的に証明されているわけではないので、過信は禁物だ。

クラチャイダムを摂るならサプリが手軽

クラチャイダムは本来、日本に存在しない植物である。熱帯地方で育つ植物なので、日本で栽培しても冬になると枯れてしまうのだ。とはいえ、前述したような効果が期待できる有望な食材であるため、近年では沖縄県での生産および温室での施設栽培が試みられている[3]。

そのうち日本産のクラチャイダムを八百屋で目にするようになるかもしれないが、現時点ではサプリメントで摂るのが現実的だろう。いくつかの製品が出回っているので、配合成分や配合量などを参考に、お気に入りの商品を見つけてみてほしい。

サプリを選ぶときのポイントについては『男性用サプリメントの選び方|失敗したくない・誰にもバレずに解決したい!』をご覧いただきたい。

クラチャイダムは男性機能にどのくらい効く?

クラチャイダムには様々な効果が期待されているが、男性諸君が気になるのは性機能の改善効果ではないだろうか。ここでは、タイで行われた勃起不全への効果を検証した研究と、日本で行われた内臓脂肪減少効果を検討した研究の結果を紹介しよう。

勃起不全への効果に関する臨床研究[4]

45人の健康な高齢男性(平均65.05歳)を対象にした研究である。1日あたりクラチャイダム25mgを飲む群と、90mgを飲む群、偽のカプセル(プラセボ)を飲む群を設定し、それぞれ15人ずつ無作為に分け、2か月にわたり飲み続けてもらった。

その結果、性的な刺激を受けて勃起するまでにかかる時間は、プラセボ群で平均11分ほどかかるところ、クラチャイダム90mgを飲んだ群では5分程度に短縮した。さらに、ペニスの長さと幅が通常状態および勃起状態の両方で、クラチャイダム90mgを飲んだ群で1~2cm増加することも示された。

これだけ聞くと、クラチャイダムには男性機能を改善する高い効果があるように思えるが、被験者の数が少ないため、研究としての質は高いとは言えない。実際に、クラチャイダム25mgを飲んだ群はプラセボ群と同等か、むしろ悪い傾向が見られている。この研究の結果は参考程度に捉えていただきたい。

内臓脂肪への効果を検討した臨床研究[5]

もう一つ、クラチャイダムの効果を示す研究結果を紹介しよう。

この研究は日本で行われたもので、ぽっちゃり体型(BMIが24以上30未満)の男女76人(平均50歳)を対象にしている。クラチャイダムエキス150mgの入ったカプセルを飲む群(38人)と、偽のカプセル(プラセボ)を飲む群(38人)に無作為に分け、3か月にわたり飲んでもらった。その結果、クラチャイダムを飲んだ群は内臓脂肪の面積が3.67 cm2減った(プラセボ群は0.50 cm2減少)。また、中性脂肪の値も少し下がったことが報告されている。

ここでなぜ内臓脂肪の研究を取り上げるのか、ピンと来ない方はぜひ『メタボが男の活力・精力を奪う―原因を知って対策を!―』をご一読いただきたい。

クラチャイダムの安全性

最後に、クラチャイダムの安全性について触れる。前述した2つの研究においては特に問題は報告されていない。日常的によく食べられている生姜の仲間なので、よほど大量に摂ったりしない限り安全性は高いと思ってよいだろう。人によっては、軽度の胸やけ、下痢、胃の不快感などが現れることがあるようだ[6]。万が一、体調が悪くなった際には製品を持って近くの内科クリニックなどを受診するようにしてほしい。

参考文献

  1. [1]Saokaew S et al. Clinical Effects of Krachaidum ( Kaempferia parviflora): A Systematic Review. J Evid Based Complementary Altern Med. 2017 Jul;22(3):413-428.
  2. [2]鷲野憲之ほか. 黒ウコンのメタボリック症候群に対する臨床効果. 医食同源研究会
  3. _http://www.ishoku.org/topics/kuroukon.html_
  4. [3]東海地域生物系先端技術研究会. 地域産学連携による黒ウコン生産の研究開発と事業化支援
  5. http://www.agri-renkei.jp/news/docs/201211model_tokai.pdf
  6. [4]Panakaporn W et al. Efficacy Assessment of Kaempferia parviflora for the Management of Erectile Dysfunction. OnLine Journal of Biological Sciences. 2012; 12(4): 149-155.
  7. [5]Yoshino S et al. Daily intake of Kaempferia parviflora extract decreases abdominal fat in overweight and preobese subjects: a randomized, double-blind, placebo-controlled clinical study. Diabetes Metab Syndr Obes. 2018 Aug 28;11:447-458.
  8. [6]日本医師会ほか監. 健康食品・サプリメント成分のすべて2017 第5版. 同文書院.2017; 488-491

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