食べ物
2018.12.03

にんにくの効果は?|臭いを気にせず、肉と一緒にガッツリいこう!

精力を付けるために「スタミナ料理を食べよう」と考える男性は多い。にんにくがよく効いた肉料理は、いかにも男らしく、みなぎるパワーを注入することができそうだ。このようなイメージの通り、にんにくは男の性機能にとってよい効果をもたらしてくれるのだろうか? 近年発表された実験や研究を紐解きながら、にんにくと男の活力の関係をみていこう。

監修医師

監修 管理栄養士  横川仁美

にんにくは「スタミナ食材」「身体にいい食べ物」としてよく知られている。巷では様々な不調に効くと言われているが、科学的にどうも効き目がありそうだと示唆されているのは、高血圧、動脈硬化の予防、抗がん作用(胃、腸、前立腺)、皮膚の感染症(真菌症)の予防、ダニ避けなどだ[1]。では、男の活力についてはどうだろうか。

男の活力アップに!にんにくの効果的な食べ方

にんにくには、男性ホルモン(テストステロン)の量を増やして、ハツラツとした男にしてくれる食べ方があるといわれている[2]。それは肉や青魚などのタンパク質が豊富な食材と生のにんにくを使った料理、例えばにんにくスライスがたっぷり乗ったカツオのたたきや、おろしにんにくがたっぷり入ったタレで食す焼き肉などである。

これらはいかにもスタミナ料理という印象があるが、これがよいといわれている理由を紹介しよう。

にんにく単独だと効果が低い

マウスを用いた実験では、にんにくに含まれる臭い成分であるアリシン(硫化アリル)が、脳下垂体から黄体形成ホルモン(LH)を分泌させ、この刺激を受けて精巣がテストステロンを作り出すことが確認されている。ただし、これはタンパク質が豊富な餌と一緒に食べた場合であり、タンパク質が少ない餌と一緒に食べても効果がなかった[3]。ここから、タンパク質を含む肉や魚などと一緒ににんにくを食べようという話が出てきているのだ。

にんにく臭さを恐れるな

テストステロンを分泌させるきっかけになり得るアリシンは、不安定な物質である。にんにくを熟成させるなどして臭いを軽減した「臭くないにんにく」には、アリシンの含有量が低い可能性がある[1]。

アリシンは玉ねぎ、長ねぎ、ニラ、エシャロット、アサツキ、らっきょうなど香りが高い野菜(香味野菜)にも含まれるので、これらを追加・代替してもよいだろう。

ビタミンB1の吸収を高める作用も

また、アリシンにはビタミンB1の吸収を高める働きもある。アリシンはビタミンB1と結合するとアリチアミンとなり、酵素で分解されにくくなるうえに、脂溶性となるため消化管での吸収が良くなるといわれている[4]。このアリチアミンがテストステロンを上昇させるという説もある[5]。

牛肉や豚肉はビタミンB群が多いことが知られている食材なので、栄養学的にも肉とにんにくの相性は抜群といえるだろう。しかも、肉にはプロテイン(タンパク質)が豊富に含まれている。詳しくは『プロテインの効果は?|男の体躯はタンパク質で決まる』を参照いただきたい。

にんにくと男性機能の関係は賛否両論

先ほど、「にんにくがテストステロン増加によい」という実験結果を紹介した。しかし、実はにんにくが男性機能に及ぼす影響については、「よい」とする報告と「悪い」とする報告が混在しており、賛否両論で決着がついていない。

にんにくが悪いとする報告では、テストステロンが減ったり、精子の質が下がったりしたと結論している[6]。賛否いずれも、ラットやマウスを使った動物実験での結果なので、人間に当てはめたときにどうかという問題もある。

いずれにせよ、テストステロン増加のために、毎日にんにくを大量に食べ続けるようなことは避けた方がいいだろう。逆に、悪い影響を怖れ過ぎるあまりに、にんにくを厳格に避けるという行動もあまり望ましくない。バーベキューなどで肉を食べるときなどには、相性のよい食材として美味しくいただこう。

にんにくの安全性

にんにくは世界中で日常的に食べられている食品なので、よほど大量に摂ったりしない限り安全性は高いと思ってよいだろう。ただし、よく知られているように口臭や体臭がキツくなるという弊害はある。

また、人によっては口や胃の灼熱感、胸やけ、悪心、嘔吐、下痢、お腹の張りが出ることがある。特に生のにんにくを食べた後に起こりやすいといわれているので、敏感な人は注意したほうがいいかもしれない[1]。万が一、体調が悪くなった際には近くの内科クリニックなどを受診するようにしてほしい。

参考文献

  1. [1]日本医師会ほか監. 健康食品・サプリメント成分のすべて2017 第5版. 同文書院.2017; 689-691
  2. [2]堀江 重郎. dancyu元氣食堂 肉とマカとテストステロン (プレジデントムック) 第1版. プレジデント社 2018; 21
  3. [3]Oi Y et al. Garlic supplementation increases testicular testosterone and decreases plasma corticosterone in rats fed a high protein diet.J Nutr. 2001 Aug;131(8):2150-6.
  4. [4]日本食品分析センター. ビタミンB1について. JFRLニュース 2017; 5(30)
  5. http://www.jfrl.or.jp/jfrlnews/files/news_vol5_no30.pdf
  6. [5]久末伸一. LOH症候群の予防と集学的治療. 日本Men's Health医学会News Letter 2012; 10
  7. http://mens-health.jp/pdf/News_Letter_Vol10.pdf
  8. [6]Hammami I et al. Impact of garlic feeding (Allium sativum) on male fertility. Andrologia. 2013 Aug;45(4):217-24.

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