栄養
2018.12.03

プロテインの効果は?|男の体躯はタンパク質で決まる

男の活力・精力の源である男性ホルモン。このホルモンは性機能のみならず、男らしい身体をつくる筋肉増強にも大きくかかわっている。運動すると男性ホルモンの分泌が上がり、筋肉がつくられる。このときに必要なのが、筋肉をつくる材料となる栄養素である「プロテイン」(タンパク質)だ。ここでは、快活に過ごすためのプロテインの効果的な摂り方について解説しよう。

監修医師

監修 管理栄養士・料理家  磯村優貴恵

プロテイン(タンパク質)は、20種類のアミノ酸がペプチド結合してできた化合物だ。生物はプロテインなしでは生きていけない。なぜならば、体中の細胞にあるDNA(遺伝情報)に書き込まれているのは「アミノ酸をつなげる順番」であり、必要に応じてアミノ酸をつなげて特定の機能を持つプロテインを作り出すことで、生命活動を行うことができるからだ。

デキる男のプロテイン摂取法

人間はプロテインのもととなるアミノ酸20種類のうち、11種類は体内で合成することができる。残りの9種類は体内で合成できないので食事から摂取する必要があり、特別に「必須アミノ酸」(不可欠アミノ酸)と呼ばれる。

必須アミノ酸

  • ヒスチジン
  • イソロイシン
  • ロイシン
  • リシン
  • メチオニン
  • フェニルアラニン
  • スレオニン
  • トリプトファン
  • バリン

プロテインを摂るなら、これら必須アミノ酸がしっかり含まれている良質なものを選びたい。そのときに参考になるのが「アミノ酸スコア」という指標だ。

アミノ酸スコアの高い食品

アミノ酸スコアは食品に含まれるプロテインの質を評価する指標である。その食品に含まれる必須アミノ酸それぞれが必要量に対してどの割合で入っているかをみて、一番低いアミノ酸の割合がその食品のスコアになるというものだ。最高点は100で、これと同じか近いほど「良質なプロテイン源」ということになる。

食品のアミノ酸スコア[1-2]

  • 【100】肉類(牛肉、豚肉、鶏肉)、魚類、大豆、卵、牛乳
  • 【90台】枝豆、おから、チーズ
  • 【80台】豆乳、ブロッコリー、エビ、里芋
  • 【60台】精白米、じゃがいも
  • 【50以下】トマト、みかん

このように、肉や魚、大豆などはアミノ酸スコアが高いが、穀類や野菜、果物などの植物性の食品は低い、という風に判断すればいいだろう。ただし、いくらアミノ酸スコアが高いからといって、1つの食材だけ食べ続けるということはしないでほしい。食材によってアミノ酸の組成はそれぞれ変わるため、動物性、植物性どちらの食材もまんべんなく摂ることが望ましい。

プロテインの1日当たりの摂取量

いくら良質なプロテインとはいえ、必要以上に摂り過ぎると体内で使いきれず、脂肪に変換されて蓄積される。日本人の中年男性におけるプロテインの摂取推奨量は1日当たり60gだ[3]。一般的なメニューに含まれるプロテイン量を示すので、参考にしてほしい。

一般的なメニューに含まれるプロテイン量[4]

  • えびフライ(2本):約8g
  • 合い挽きハンバーグ(1人前150g):約20g
  • ビーフシチュー(1人前200g):約8g
  • ポテトコロッケ(2個):約5g
  • チキンカレー(1人前200g):約12g
  • エビグラタン(1人前200g):約10g
  • 麻婆豆腐(1人前150g):約12g
  • 酢豚(1人前300g):約15g
  • しゅうまい(1個30g):約3g
  • 餃子(1個25g):約1.8g
  • アジの南蛮漬け(1人前150g):約12g
  • 肉じゃが(1人前100g):約4g
  • 親子丼(具200g、飯200g):約21g
  • いんげんのゴマ和え(小鉢30g):約1.3g
  • 豚汁(1人前250g):約5g

普段の食事でプロテインが必要十分に摂れていない場合は、補助的にサプリメントのプロテインを飲むという選択肢もある。特に筋トレをしている人は、傷ついた筋肉を回復させるためにプロテインが欠かせないので、トレーニング前に吸収の早いホエイプロテインを飲むとよいだろう。

なお、腎臓が弱っているなどして医師からプロテインの摂取を控えるように言われている場合は、指示された量を守るようにしてほしい。

男性力を上げるおすすめのプロテイン食材

精力をつけて自信みなぎる男になりたい人におすすめのプロテイン食材をご紹介しよう。

おすすめ食材(1)羊肉

羊肉(ラムやマトンなど)にはアミノ酸の一種である「カルニチン」が豊富に含まれている。このカルニチンは細胞内でエネルギー産生をサポートする働きがあり、心臓、脳、筋肉など数多くの生体機能に重要なものである。

また、カルニチンは男性の加齢に伴う性機能障害、抑うつ状態、疲労感を回復したという研究結果[5]があり、精子の運動低下の改善や生殖器官(前立腺、精嚢、副睾丸)の炎症が原因の、男性不妊症によい可能性があるともされている[6]。

ただし、動物性脂肪の取り過ぎは身体に良くないので、なるべく赤身を選ぶとよい。赤身の多い馬肉もおすすめだ[7]。

おすすめ食材(2)大豆製品

大豆製品(豆腐、納豆、きなこ、豆乳など)には「大豆イソフラボン」という成分が含まれている。大豆エストロゲンは女性ホルモンの「エストロゲン」と構造がよく似ており、その働きを助けると言われている。そのため女性の更年期によいというのは有名な話だ。

ここで男性には関係ないとは思うなかれ。エストロゲンは男性でも分泌されており、オスとしての性行動を引き起こすために重要なホルモンなのだ。納豆にネバネバ食材(オクラ、なめこ、山芋など)をプラスして食すなど、積極的に食べていきたい。

ここまでおすすめのプロテイン食材をあげたが、最後に強調しておきたいのは「我々の身体はあらゆる栄養素が必要である」ということだ。意外と知られていないかもしれないが、茶碗1杯(約150g)のご飯には3.8gほどのプロテインが含まれる(脂質は1g未満)。ご飯とおかずを一緒に食べることで、栄養のバランスも整いやすくなり、食事全体の質も上がるだろう。旬の食材を使った美味しいおかずとご飯で、英気を養っていただきたい。

参考文献

  1. [1]日本食品分析センター. 食品たんぱく質の栄養価としての「アミノ酸スコア」. JFRLニュース 2005; 46
  2. _http://www.jfrl.or.jp/jfrlnews/files/news_no46.pdf_[2]秋下雅弘(監). 男性ホルモンの力を引き出す秘訣 第1版. 大泉書店 2013; 104-105
  3. [3]厚生労働省. 日本人の食事摂取基準(2015年版)
  4. _https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042630.pdf_
  5. [4]香川明夫. 七訂 食品成分表 2017 初版. 女子栄養大学出版部 2017; 256-274
  6. [5]Cavallini G et al. Carnitine versus androgen administration in the treatment of sexual dysfunction, depressed mood, and fatigue associated with male aging. Urology. 2004 Apr;63(4):641-6.
  7. [6]日本医師会ほか監. 健康食品・サプリメント成分のすべて2017 第5版. 同文書院.2017; 164-166
  8. [7]堀江 重郎. dancyu元氣食堂 肉とマカとテストステロン (プレジデントムック) 第1版. プレジデント社 2018; 18

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